辞めた理由を書いた理由 ⑥ 財産

VUCAの時代。


厳しいビジネス環境の中で、

今、経営者やビジネスリーダーは

どのように企業経営を行っていけば良いのでしょうか。



ビジネスリーダーはどこへ


企業にとって人は財産であると思います。

従業員が生き生きとやり甲斐を持って働くことができれば、

モチベーションが高まり創造性が発揮され組織に貢献し、

結果的に企業価値が高まっていくのではないでしょうか。


企業の健康診断をする上で財務諸表を使い、

現在の財産状況を貸借対照表で把握しますが、

従業員の価値というのは、貸借対照表には計上されません。


損益計算書の費用として人件費に計上されるのみです。

今後、従業員がどのような創造性を発揮して、

将来の利益をもたらすかは、数字としては現れないのです。

現せられない、評価できない、と言った方が正確かもしれません。


評価できないからと言って、価値が無いかというと、

全く逆だと思います。


むしろ、企業価値を高めていくためには

従業員の能力や資質という人の価値を

高めていく必要があります。


それこそが企業の生産性や競争力を高め、

結果的に利益を上げていくことができます。


今、ビジネスリーダーが取り組むべき課題は、

従業員がやりがいを持って働くことができる環境を

整えていくことではないでしょうか。



人は財産


資本家が労働者の労働を搾取する資本主義という仕組みだからと言って、

人を取替え可能な部品のように扱っていては、

従業員が持っている本来の力を引き出すことはできません。


今、ビジネスリーダーは、人が利益の源泉であることを認識し、

従業員の心と真摯に向き合い、

健全なコミュニケーションを行うことが求められているのではないでしょうか。

また、その仕組みを提供していくことが求められているのではないでしょうか。


そのためには、リーダー自身が自らの心を知り、自分のことを知る

自己認識を深めていく必要があるでしょう。


同時に、従業員も受動的な働き方を見直すことが必要かもしれません。

自分自身のことについて知り、

自分の状況を自らしっかりと理解していくことが必要だと思います。


出来上がった資本の論理の中で、

歯車のようにがむしゃらに働いても報われないこともあります。


挙げ句の果てに体調を壊して、せっかくの人生を棒に降ってしまうこともあります。

日々決められたタスクをこなすだけの

無味乾燥な人生を歩んでしまうことになるかもしれません。


そのような不本意な現実を受け入れ、

自分の人生の舵取りを社会や会社に任せっ放しにしてしまうのは

なんだかやるせないですし、もったいないのではないかと感じます。


今、私たちは立ち止まり、心を落ち着けて、

自分の働き方や生き方を自分自身に問いかけてみる時なのではないでしょうか。



問いかける



ここで、また一つの疑問が湧き現れます。


「どうしてこのような醜い状況になってしまったのだろうか。」


資本の論理を始め、

出来上がっている社会の仕組みや日本的価値観、国民風土に

その要因があるように感じられれます。


例えば、「自己犠牲」の精神性、出る杭は打たれる「減点主義」、

エスカレーター方式の「新卒一括採用」、

成長こそが未来を明るくする「成長神話」などが思いつきます。


自己犠牲 ー 日本古来の伝統的な考え方に基づいた価値観、個を没し組織に貢献することが美徳であるという価値観


減点主義 ー 知識を重視し一つの答えを求める創造性を奪う教育システム


新卒一括採用 ー 卒業後の進路がほぼ決まっていて硬直的な人生設計を強いる

         企業の人材採用システム


利益成長神話 ー 組織の利益が投資家を満足させ社会の利益につながるという幻想


(上記は私の見識を基にした定義付けです。)


このような仕組みや価値観が

1960年代の日本の高度経済成長を支えたことも事実です。


今日より明日にはさらに成長し、物質的な豊かさを享受するためには、

みんなが一つの価値観を共有するこのような仕組みが有効でした。


終身雇用制度や年功序列という仕組みが将来への不安を軽減し、

従業員は心理的な安全を確保した環境で働くことができました。



高度経済成長



そのような環境を提供できるのは中小企業ではなく大企業で、

中小企業にとっては優秀な人材を確保することは難しく、

大企業にとっては多くの人材を確保することが容易でした。


このような労働環境と社会の仕組みは、


「会社のために働いていれば、給料も増えていき、

物質的な豊かさを享受し、老後の不安も軽減される」


という安心感を生み、従業員は組織のために働く意欲が湧いてきます。

そして、大学を卒業したら大企業に努めるという規定ルートが出来上がっていきます。


企業としても、

長期間にわたり安定的な雇用を確保することができるだけでなく、

「成長」という言葉を軸に、企業文化を醸成し、

トップダウン方式での意思決定を浸透させることが容易となり、

企業経営に安定性をもたらしました。


一つの方向感にまとまって働くこのような仕組みは、

日本古来の和(harmony)を重んじる価値観とも親和性があり、

多くの日本人に受け入れられやすかったのだと思います。


そして、


「物質的な豊かさこそが幸せである」


というメンタリティが根付いていきました。

資本主義は精神形成に大きな影響を及ぼします。



物質的な豊かさ


これらの仕組みが機能するには、

組織の成長、社会の成長が前提になります。


このような成長モデルは、

金融機関の積極的な融資姿勢を背景に

資産価格の高騰を招きインフレーションが発生し、

企業は本業とは違う事業や資産形成(財テク)を始め、

やがてバブルを招くこととなったのは周知の事実かと思います。


辞めた理由を書いた理由 ⑦ に続く


僕が上場企業を辞めた理由 ① 変化が喜び



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